冠基金
家庭で暮らすことができない子ども・若者を支える「さくら基金」
社会的養護の子ども・若者を支える活動を支援する基金です
本基金は、基金設置寄付者からのご意向により、様々な理由で家庭で暮らすことができない子ども・若者が不安を抱えることなく、社会に巣立つことができるように支援団体が実施するキャリア支援事業やアフターケア事業を支援する基金です。
「桜の花が咲く季節に希望に満ちあふれた笑顔で巣立ってほしい」という寄付者の思いから「さくら基金」と名付けられました。
また「さくら基金」では、基金の趣旨にご賛同いただける方からの寄付も受け入れていきます。
多くの子どもたちが笑顔で社会に巣立つことができるように、みなさんのご支援で本基金を育てていただければ幸いです。
20歳前後において、適切な保護者の関与がない若者を取り巻く課題
児童養護施設入所者、退所者等、20歳前後において適切な保護者の関与がなく強制的に独り立ちを迫られる若者は、生活基盤が不安定である上に、身近に頼る人もおらず施設退所後に孤立するリスクが高いといわれています。
被虐待児が多い児童養護施設では、心のケアまで行き届かないまま退所を迎えるため、本人の最善の利益に即したキャリア形成や職業選択がされないまま生活を成り立たせることが優先され、その結果、近視眼的、ハイリスクな選択しかできず、さらに制度の枠組みから離れるとその後のつながりが途絶えてしまうケースも多く、不利益のサイクルから抜け出すことが困難になります。
厚労省「社会的養護の現況に関する調査」(H29)によると、高校等卒業した児童養護施設児1818人の内、約85%が進学又は就職を理由に退所し自活をスタートしています。
NPO法人ブリッジフォースマイルの調査では、進学者の内84.8%は奨学金等学費支援制度を活用し、就職者の内38.6%は社員寮つき職場に就職していますが、3年後には進学者の内24.1%が中退をし、就職者の内44.7%が離職していることから、奨学金があるから生活費やアパート代が出せていた者も、寮があるから低賃金でも働いていた者も、中退や離職によって退所後3年後には約2割の者が住居を失くすことになるということがわかります。
他にも生活保護で一人暮らしをする者、一旦家庭に戻るが家族関係がうまくいかず家出をする者等も含むと施設退所後に孤立するリスクの高い若者は多いと推測されます。
また被虐待児が多い児童養護施設では、心のケアまで行き届かないまま退所を迎えるため、将来虐待の加害者になるリスクも少なくありません。
本人の最善の利益に即したキャリア形成や職業選択がされないまま15歳又は18歳になったら社会に出される、頼れる人もなく生きていくために近視眼的ハイリスクな選択しかできず、不利益のループを繰り返すことになってしまいます。
自立までを中長期に支える支援者、安心できる居場所、就労支援が必要
国による社会的養育の制度拡充も進んでいますが、制度から漏れ落ちる子どもや若者も多いのが現状です。
この状況を改善していくためには、施設退所前からのキャリア教育や周囲との関係性づくり、自立までを中長期に支える支援者、場、キャリア形成、就労支援等の連携を促進し、地域で孤立せずに暮らしていける環境をつくる必要があります。
実際、施設のほかにも民間支援団体によるさまざまな支援活動が行われていますが、資金不足や人材不足により継続性や質量の拡充が課題となっています。
支援内容
ご寄付により、社会的養護の子ども・若者に必要な取り組みを支援することができます。
「基金」に集まった寄付金は、次のような活動に使われます。
- 主に児童養護施設入所児への支援:キャリア教育、生活支援、学習支援等
- 施設退所後の支援:就労支援、住居支援、生活支援、人材育成等
- 安心して居ることのできる居場所づくり、相談事業
助成事業は公募を行い、助成等選考委員会にて厳正なる審査を行い決定します。
ご寄付いただいた方には助成事業の報告をさせていただきます。
本基金へのご寄付は、税法上の税制優遇が受けられます。
- ちばのWA地域づくり基金は、千葉県より公益財団法人としての認定を受けています。
- 当財団へのご寄付は、申告によって、所得税、住民税などの控除を受けることができます。
- また、相続や遺贈、法人からのご寄付においても税制面での優遇措置があります。
- 個人や法人の状況により税制優遇の内容は変わりますので、詳しくは税理士などの専門家にご確認ください。