これまでの助成 REPORT

　「寄付」といってもその形はさまざまで、日常の何気ない行動が実は寄付につながることをご存じでしょうか。ちばのWA地域づくり基金では、自動販売機を設置しその売り上げの一部が社会貢献活動に寄付される「支援ベンダー」という取り組みをパートナー企業様と2016年から取り組んでいます。（※1）
　ふと飲み物を買いたいなと思った時、せっかくならば寄付で貢献しながら飲み物が購入できたら、素敵ですよね。
（※1）支援ベンダー：自販機の売り上げの一部が千葉の地域づくりに寄付される仕組み。ちばのWAオリジナルラッピング自販機の設置が可能。現在、千葉県内の6ケ所に設置しています。

　幕張本郷駅から徒歩3分程の所にあるホテルメイプルイン幕張では、研修棟と宿泊棟が交わる休憩スペースに青い色の自販機が2台、ウォーターサーバーが2台あり、そこには「子どもの今と未来を支える基金/公益財団法人ちばのWA地域づくり基金」と書かれた看板と募金箱が2017年から設置されています。

　ホテルメイプルイン幕張を運営する幕張実業株式会社の松田さんは、ホテルを経営していく上で、もともとＣＲＭ（cause related marketing/コーズリレイテッドマーケティング）（※2）に興味があり、どのように社会に貢献しながら事業を運営できるかということがいつも頭の片隅にあったといいます。
現在行っている社会貢献事業のひとつとして、募金箱と支援ベンダーを設置している同ホテル。 お客様がウォーターサーバーを利用する際に、地域の課題について知ってもらえるきっかけになればと思い、ウォーターサーバーの隣に募金箱を置いたのがはじまりでした。
（※2）特定の商品を購入することが環境保護などの社会貢献に結びつくと訴える販促キャンペーン。単なる慈善活動と違い最終的には企業のイメージアップ・収益拡大が目的。日本では、1960年にスタートしたベルマーク運動がコーズリレイテッドマーケティングの先駆けとされています。また、社会に貢献する企業の商品や製品、サービスを購入することで消費者も社会貢献活動に繋がることもその特徴です。そのため、コーズリレーティングマーケティングはイメージ向上だけでなく、購買促進や売上拡大に繋がる場合もあります。

　〈地域に育まれている企業だから・・・ 私たちは、地域社会に調和し、自らの得意分野で地域に貢献します。〉を理念に地域貢献に取り組んでいる同ホテルは、地域の情報を載せたポータルサイト『マクスタ』の運営や、幕張本郷ふれあい祭りの運営、学生の職場体験の受け入れなど、幅広く地域に密着した活動を行っています。募金箱は以前からホテルに別の支援団体のものを設置していましたが、その団体が活動を休止したため、ちばのWAの募金箱に変更し、併せて支援ベンダーも導入することを決めました。寄付先はかねてから興味があった「子どもの今と未来を支える基金」にすることにしました。

　「ホテルというホスピタリティあふれる業界なので『誰かの役に立ちたい、立てたらうれしい』という気持ちがあるスタッフが多い」と、松田さん。スタッフには日頃から「他の人のためになることが自分の幸せにつながる。企業として地域や社会に貢献していきたい」という松田さんの想いを伝えていたこともあり、支援ベンダーの導入はスムーズに進めることができたそうです。
支援ベンダーはスタッフやお客様からの評判も良く、お客様からは「いい活動をされていますね」と、お褒めの言葉をいただくこともあるそうです。
 　さらに、松田さんが仕事に取り組む上での想いをお伺いすると、次のように教えてくださいました。
「マーケティングというのは〈ターゲットとする相手から望ましい反応を得るための仕組みづくり〉と言われています。みんなが気持ちよく過ごす場所や社員が気持ちよく働けるための流れや仕組みを作るのが私の仕事だと思っています」

　設置から6年が立ち、メイプルイン幕張では当たり前に目にするようになった支援ベンダーと募金箱。寄付と聞くと少し身構えてしまうこともありますが、気軽に、誰でも、誰かのためになれる寄付の形を身近に見ることができました。

ホテルメイプルイン幕張様からの募金や支援ベンダーの寄付金は「子どもの今と未来を支える基金」の助成原資として活用させていただいております。
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