【助成レポート】がくしゅう広場ぬくもり/労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団 東関東事業本部

これまでの助成 REPORT

テーマ・地域型基金

【助成レポート】がくしゅう広場ぬくもり/労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団 東関東事業本部

2024.02.07
助成レポート

第1回寄付キャンペーンでいただいたご寄付をもとにした助成「子どもの今と未来を支える基金/経済格差を『体験の格差』につなげないための助成プログラム」の採択団体5団体は、現在、子どもたちの体験の格差の解消を目指して活動しています。

af29f4fb9535692fc3fe927c363a2b5e-1707280249.jpeg

2023127日、採択団体のひとつ「労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団 東関東事業本部」が習志野市内で運営する学習支援事業「がくしゅう広場ぬくもり」を当財団助成事業担当者が訪問。同団体の東葛湾岸エリアマネージャー・藤平洋一さんにお話しを伺ってきました。

a60540d9a895747daeb396fbedd40e1e-1707280370.jpg

藤平洋一さん(左)と副所長の永野智子さん

京成電鉄線実籾駅から徒歩約10分。学習支援事業「がくしゅう広場ぬくもり」は同団体の事業所や近くの消防団の建物を活用し、週に1回、18時から20時まで無料で行われています。対象となるのは小学生と中学生で、この日は小学生13人・中学生10人が集まり、自分の苦手な科目やその日学習したい教科に取り組んでいました。学習支援に来る子どもたちの全てが生活困窮やひきこもり・不登校というわけではありませんが、支援を必要とする子どもたちへも情報が届くように、市の子育て支援課・自治会・民生委員と連携しながら、困難さを抱える子どもや家庭へのアプローチも同団体は行っています。さらに、今年度からは市の委託によるヤングケアラーの掘り起こしを目的とした事業も開始しました。

0bf6ccf9d95bbd18a0fa8843ab69d782-1707280550.jpeg

小学生の学習支援の様子。学習はボランティアと団体の職員がサポートしています。

学習支援の場で役立つ助成金

学習支援に欠かせないのは教材です。今回の助成金の一部もドリルや教科書の購入費用に充てましたが、ドリルも教科書も小学生から中学生まで各学年ごとに必要となり「これが結構ばかにならない」と藤平さんはいいます。教材はコピーをしながら繰り返し使いますが、同じ問題を何度も出題するわけにはいきません。子どもたちが毎回違う問題を解くことができるようにするためには教材を定期的に購入する必要があり、その財源として今回助成金が活用されました。
また、子どもたちの学習をサポートするボランティアへの謝金や交通費も本助成金が活用されています。そこには、本事業を通して地域の教員OBや教員を目指している学生など、地域学習支援の担い手を育成していきたいという団体の想いがあります。

4f2d5c861f1976fe4f2349137030c0a8-1707280711.jpeg
22ffec51ff503806b271cc174c8d5c42-1707280733.jpeg

ドリルと教科書の一部

c6630b15febde00012623b4e19afcda3-1707280817.jpg

支援員(ボランティアスタッフ)のみなさん

物価の高騰、資金の不足…残る課題

一方、今回の助成だけでは解決できない・改善しきれない課題もまだあります。
例えば…

  • 子どもたちに毎回配る軽食とお菓子。団体が大切に守ってきた食の支援も物価高騰の影響を大きく受けています。地域のフードパントリー・企業・農家の協力を得ながら配布を継続している状況です。
  • 以前は子どもたちが進級する際には、お祝いとして学習支援に使ったドリルと鉛筆をセットにしてプレゼントしていましたが、最近は資金不足ということもありプレゼントを中止しています。子どもたちに喜ばれる進級のお祝いだっただけに「プレゼントできず残念」と藤平さんはいいます。
  • 子どもたちが楽しみながら学習支援に通い続けられるように、同団体はイベントにも力を入れてきました。小学生と中学生が一緒に楽しめるイベントは、異なる年齢の子どもたちが交流できる貴重な機会ですが、資金不足から規模を縮小したり回数を減らしたりしながら実施しています。
  • 保護者や子どもたちからは「年間を通して開催してほしい」という要望があるものの、行政からの委託ではない自主事業での学習支援のため、今は半年間の開催が精一杯です。

藤平さんは「助成金は少額でも有難い」としながらも、上記のような資金面での苦労をお話ししてくださいました。それでも、地域で子どもたちが取り残されることがないよう、今後も「がくしゅう広場ぬくもり」は無料で提供していきたいと同団体は考えています。

学習支援に限らず、受益者負担が成り立たない事業を行う団体にとって、助成金や補助金は大切な財源です。子どもたちの体験・学習の機会を守るためには、その機会を提供する支援団体に事業を継続していただく必要があります。
2023年度は今回の助成により5団体の事業を実施し、多くの子どもたちに「体験」や「学び」の機会を提供することができました。皆さまのご寄付は、子どもたちの体験や学習機会の創出という成果に結びついています。
「支援の灯を絶やさないためにも、このテーマでの助成を続けたい」助成事業担当者として思いを新たにする訪問となりました。

生活困窮およびひきこもり児童・世帯への学習支援・食支援・居場所・相談事業
「子どもの今と未来を支える基金」経済格差を『体験の格差』につなげないための助成プログラム/事業実施期間:2023年9月~2024年3月
助成金額:200,000円
実施地域:習志野市
実施団体:労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団 東関東事業本部 
ホームページ

「経済的困難を抱える家庭の子どもたちの未来を支えたい」第2回寄付キャンペーンへご協力ください

ご寄付はこちらから

寄付をする DONATION

私たちとともに千葉の
地域社会を支えてください

当団体は、皆さまのご寄付によって地域社会をより良くしようとする団体を応援する活動を行っています。
千葉の未来を一緒に創りましょう!

TOP