テーマ・地域型基金
【助成レポート】被災した地域の交流拠点「十五や」の再開と居場所づくり /市東地域15町会共創プロジェクト実行委員会
令和8年8月の千葉豪雨を受け、ちばのWA地域づくり基金では「千葉災害支援基金」を発動し、被災した地域の暮らしを支える活動への支援に向けて、ご寄付を呼びかけました。
お寄せいただいたご寄付を原資に、9月には「千葉災害支援基金」緊急支援助成の公募を実施。被災した地域で活動する団体から申請を受け、審査の結果、4団体の採択を決定しました。(9月24日現在)
採択団体のひとつ「市東地域15町会共創プロジェクト実行委員会」は、市原市東国吉にある地域の交流拠点「十五や」を運営しています。今回の助成金は、地域の方々が気軽に立ち寄り、交流したり情報を得たりできる場を再開するために活用されます。
9月17日、ちばのWA地域づくり基金は十五やを訪ね、同委員会の会長・西郡完治さん・藤本秀樹さん・藤本雅子さんから、これまでの活動や今回の被災についてお話を伺いました。

奥の列手前から、市東地域15町会共創プロジェクト実行委員会の藤本雅子さん・会長の西郡完治さん・藤本秀樹さん。訪問には災害支援ネットワークちば代表の加納基成さん(手前奥)にもご同行いただきました。
地域の人が集まり、つながる場所「十五や」
「十五や」は、市東地域15町会共創プロジェクトの活動の一つとして、2023年にオープンしました。
木造平屋の小さな建物には、駄菓子や地域の農産物の販売、不要になったものを持ち寄り、別のものと交換できる「0円ぐるり」のコーナー、休憩・交流ができるスペースなどがあります。ボランティアによって運営され、子どもから大人まで地域の方々が訪れる憩いの場になっているそうです。
また、市東地域で複数のプロジェクトを展開する同団体。
十五やだけではなく、防災ファミリーキャンプ、百年たんぼ、自然学校などの活動にも、地域の30~40代や子どもたちが参加しています。市東地域は、県内の他の地域と同様に、高齢化や学校の閉校、バス路線の縮小、耕作放棄地など、地域の暮らしをめぐるさまざまな課題があります。十五やはそうした地域の中で、人が集まり、情報を交換し、新しい関わりが生まれる場所として親しまれてきました。
代々この地で暮らす人、かつて暮らしていた人、移住してきた人が、世代や背景を超えてつながる大切な場所であることが、お話を伺う中で感じられました。
令和8年8月千葉豪雨による被害
8月の豪雨では、十五やも大きな被害を受けました。
建物は床上約150cmまで浸水し、駄菓子や「ぐるり」の品物、冷蔵庫などの機材、備品、畳などが水と泥に浸かり、多くのものを廃棄することになりました。

写真提供:市東地域15町会共創プロジェクト実行委員会

令和8年8月千葉豪雨では、緑のテープのラインまで浸水しました。

写真提供:市東地域15町会共創プロジェクト実行委員会

写真提供:市東地域15町会共創プロジェクト実行委員会
被災した廃棄物の搬出や、屋内に溜まった泥出しなど、復旧作業はプロジェクトのメンバーや、関わりのある方々によってすぐに始められましたが、9月6日・7日の大雨で再び浸水。
それでも地域からは再開を待ち望む声が多く寄せられており、現在、9月27日の仮オープンを目指して作業が進められています。再開後は、駄菓子の販売や「ぐるり」に加え、被災した方々の交流・情報交換・憩いの場にもしていきたいそうです。

災害後に、地域の「いつもの場所」が果たす役割
災害が起きると、まずは被災状況の確認や安全の確保、緊急の支援などが優先されますが、緊急の対応が一段落すれば、それですべてが解決するというものでもありません。
災害時においては、発災から1~2か月ほど経つと、当初は見えていなかった生活上の困りごとが表面化することがあります。被災直後には気づかなかったことや、落ち着きを取り戻そうとする中で初めて感じる不便や不安もあります。
だからこそ、災害支援では、発災直後の対応だけでなく、「その後」にも目を向けることが大切です。
このような時期に、被災した人が「ちょっと聞いてほしい」と気軽に話せる場所が地域にあることは、大きな意味を持ちます。あらたまって相談に行くのは気が重いけれど、誰かに話してみたい。そんな小さな困りごとや変化を受け止める場所があることで、必要な支援につながることもあります。
十五やは、災害が起きる前から地域の人たちが集まり、顔の見える関係が築かれている場所です。
いつもの場所で、いつもの人に話すことができる。そうした場所が地域にあることは、被災後の暮らしを支える一つの力になるのではないでしょうか。
十五やの取り組みは、災害が起きたときに何が必要なのかを考えるだけでなく、災害が起きる前から、地域の中にどんな場所や関係を育てておくことができるのかを考えるきっかけにもなるように思います。
度重なる浸水被害を受けた十五やでは、再開に向けた準備とともに、今後の復旧・再建に向けたクラウドファンディングも予定しています。
地域の人たちが集まり、つながってきた場所を再び。
十五やのこれからを支える取り組みに、引き続きご関心をお寄せいただければと思います。
十五や復活クラウドファンディング特設ページはこちら
【その後】十五やを、再び台風が襲いました
このレポートの作成後、台風25号の影響で、十五やは再び浸水しました。8月の豪雨以降、これで3度目の浸水です。
度重なる被害に見舞われながらも、メンバーの皆さんが集まり、片付けを進め、翌22日には作業を終えることができたそうです。
現在、9月27日の仮オープンに向けて準備を進めていらっしゃいます。
