【開催報告】「災害時の暮らしの支援を考える情報交換会」第1回を開催しました

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【開催報告】「災害時の暮らしの支援を考える情報交換会」第1回を開催しました

2026.09.24

イベント情報

2026918日(金)1830分より、「災害時の暮らしの支援を考える情報交換会」(全2回)の第1回をオンラインで開催しました。県内外から中間支援団体、NPO・市民活動団体、地域団体、行政関係者など12名の方にご参加いただきました。

開催の背景

令和88月千葉豪雨では、千葉市で観測史上最大となる24時間367ミリの降水量を記録し、県内の広い地域で住宅浸水や土砂災害が発生しました。発災から1か月が経ち、住居の片付けや家財の搬出といった作業はボランティア等の協力で進む一方、高齢や身体的な事情による調理の困難、外国人への支援情報の未達、避難所開設に伴う子どもの居場所の利用停止など、時間の経過とともに新たな「暮らしの困りごと」が見え始めています。
こうした困りごとには、災害支援を専門とする団体だけでなく、日頃から地域で活動するNPOや市民活動団体、企業だからこそ生かせる専門性やつながりがあります。ちばのWA地域づくり基金は、他地域の実践から学び、参加団体それぞれの日常の活動と災害時の暮らしの支援との接点を考える場として、本情報交換会を企画しました。

ゲストトーク:2023年7月の秋田豪雨の現場から

1回のゲストには、一般社団法人新興事業創出機構(JEBDA)理事長の鷹野秀征さんをお迎えしました。

鷹野さんが評議員を務める公益財団法人では、組織基盤強化の支援を通じて、秋田県を拠点に活動するNPO法人あきた結いネットと関わってきました。20237月、秋田県の豪雨災害を受け、鷹野さんは発災から約2週間後に秋田県へ入り、物資の配布や被災者へのヒアリング、支援団体との連携などに携わりました。今回は、その現地での経験についてお話しいただきました。

キーメッセージは「災害を見るのではなく、被災した人の暮らしを見る」ということ。
水が引き、まちなかの被災廃棄物が片付くと被害は外から見えにくくなりますが、床や壁のカビ、エアコンや車両の故障、修繕費や保険・制度申請の負担、大工不足による修繕の遅れ、健康悪化、独居高齢者の孤立など、暮らしの問題はむしろ長期化していきます。
特に、普段は離れて暮らす家族が災害後の片付けのために駆けつけても、片付けが一段落すると帰っていき、再び一人での生活に戻る高齢者も少なくなく、「我慢して困りごとを言わない」「制度を知らない」「相談先とつながっていない」といった要因で、問題が見えにくいままになりやすいのだそうです。

秋田豪雨の際、NPO法人あきた結いネットは、炊き出しやお弁当配布を入り口に各戸を訪問し、会話の中で困りごとを聞き取っていきました。発災1週間ほどの弁当配布では187世帯に配布し、「ガスや電子レンジが使えない」「子どもの預け先がない」「近くに頼れる親族がいない」といった声を拾い上げたといいます。
「困りごとはありますか」といきなり尋ねるのではなく、「他のお宅でこんな話を聞いたんですが、どうですか?」など、他の世帯で聞いた状況を例にあげながら聞くといった、聞き方の工夫やノウハウも共有されました。

鷹野さんは、秋田での経験から見えた3つのポイントとして、
災害ではなく暮らしを見ること
届けながら聞くこと
いつものつながりを生かすこと

を挙げ、「地域NPOは災害支援の専門団体になる必要はなく、日頃の専門性や住民との関係を、専門の支援団体と連携しながら生かすことが重要」と話してくださいました。

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鷹野秀征さん

質疑応答から

  1. 質疑応答で出た話題をいくつかご紹介します。

    Q. あきた結いネットのように地域に根差した団体は、他にもあったのですか。
    数団体あったものの、拠点とスタッフを持ち、外部との既存のつながりも豊富だったあきた結いネットは、その分いち早く動くことができたとのこと。「団体のいつもが、もしもにパッとつながった」という言葉が印象的でした。

  2.  Q. 社協や町内会とは、どのように連携したのですか。
    ボランティアに関する情報交換を社協と平時から続けていたこと、拠点のあるエリアでは町内会とも付き合いがあったことが功を奏したそうです。「普段のつながりが生きた」と鷹野さんは言います。

  3.  Q. 町会・自治会は、外部とどうつながればよいでしょうか。
    これには鷹野さん自身も自治会役員としての実感を交えて答えてくださいました。多くの自治会はNPOとの付き合いがなく、いざという時はまず市役所に電話するくらいしか手段がないのが実情。中間支援組織がコーディネート役を担うことに加え、「こういう時はここに連絡を」という窓口を行政があらかじめ自治会に周知しておくことが望ましい、との提案がありました。

  4.  Q. ニーズは社協のボランティアセンターに集まると聞きますが、実際どう連携したのですか。
    「被災された住民の方々は『社協に連絡して』と言っても、皆さんなかなか連絡できないんですよ」と鷹野さん。一次情報を確実に拾えるのは地域団体の方であり、聞き取った内容をある程度整理した上で社協のボランティアセンターにつなぐ、という役割分担が機能したそうです。

Q.学校や家庭の中にいる若者など、自分から困っていると発信しにくい人のニーズは、どう見つけていたのですか。
若者に限らず、ネットにアクセスできない人が一定数いる前提で、チラシを一軒ずつ配って歩いたとのこと。町内会と協力してエリアを分担できると、より早く行き届くのではないかというアイデアも添えられました。

参加者同士の情報交換

短い時間ではありましたが、ブレイクアウトルームでは、ご参加いただいた方それぞれの活動と今回の学びを重ね合わせる対話が行われました。
高校生の居場所づくりに取り組む団体からは、豪雨時に帰宅できない高校生を居場所で待機させた事例が共有されました。
また、自治会やNPOに関わる方からは、地域に埋もれた専門人材を見いだし生かす仕組みの必要性や、自治会・町会と中間支援・社協との間で被害情報や支援ニーズを平時から共有できる関係づくりの重要性についても意見が交わされました。一方で、NPOの中間支援団体からは、自治会との信頼関係づくりにはまだまだ課題が多く、まずはNPO同士で連携する方が迅速に動ける場合もあるのではないかという意見も共有されました。

第1回を終えて

鷹野さんがスライド資料の最後に示された「『いつも』も『もしも』も支え合える地域へ」というメッセージ。
これは、私たちちばのWA地域づくり基金がコミュニティ財団として日頃から大切にしている、地域にすでにある力や関係性をつなぎ合わせていくという姿勢そのものだと感じました。

災害が起きて初めてつながるのではなく、平時からお互いの活動や強みを知り合っておくこと。
その積み重ねが、いざという時に「あの団体に相談してみよう」と思える関係につながるのだと思います。

ちばのWAは、「いつも」と「もしも」をつなぐ役割を、これからも担っていきたいと考えています。

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第2回のご案内

2回「千葉豪雨の現在地から今後の支援を考える」は、2026102日(金)18:3019:30にオンラインで開催します。
災害支援ネットワークちば(CVOAD)代表の加納基成さんをゲストに、千葉豪雨の被害と支援の現在地、今後考えられる暮らしの課題を伺います。
ぜひ、ご参加ください。

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