テーマ・地域型基金
【開催報告】「子どもの今と未来を支える基金」成果報告会&セミナー・ワークショップ

公益財団法人ちばのWA地域づくり基金は、個人や企業の皆様からの寄付を原資に、地域課題解決に取り組む市民公益活動へ助成を実施しています。寄付者の皆さまには、いつも千葉の地域づくりを応援していただき心より感謝申し上げます。
過日、子どもの今と未来を支える基金「経済格差を『体験の格差』につなげないための助成プログラム」2024年度助成事業の成果報告会を開催しました。
また後半では調査の専門家をお招きし、データ活用の基本を学ぶセミナーと、「千葉県子どもの生活実態調査」を使ってデータを読み解きながら、得られた気づきから地域に必要な支援を考えるワークショップを行いました。
開催概要
日時:2025年8月6日(水)13時00分~16時30分
会場:松戸市民会館301会議室
参加者:15名
満足度:86%
主催:公益財団法人ちばのWA地域づくり基金
プログラム
<第1部>助成事業成果報告
・子どもの今と未来を支える基金「経済格差を『体験の格差』につなげないための助成プログラム」振り返り報告(ちばのWA地域づくり基金)
・2024年度助成団体成果報告
認定NPO法人Matsudo子どもの未来へWith us(松戸市)
「松戸子ども食堂 冬のスノーキャンプ 2024 自然体験プログラム」
船橋プログラミング部(船橋市)
「教育版Minecraftを活用したプログラミング体験会」
労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団東関東事業本部(習志野市)
「生活困窮世帯、孤立世帯およびひきこもり児童・世帯への学習支援・食支援・居場所・相談事業」
<第2部>セミナー・ワークショップ
・ちばぎん総合研究所研究員に聞く「データを読み解くって?」「データをどう地域活動に活かす?」活動の質を高めるためのデータ活用の基本
講師:小松孝之さん(株式会社ちばぎん総合研究所調査部担当部長)
・ワークショップ「調査データを読み解き、得られた気づきから地域に必要な支援を考える」
・全体共有・総括コメント
開催報告
この日の千葉県は最高気温37度と厳しい暑さの中の開催となりましたが、県内で活動するNPOの方、「子どもの生活実態調査」を行った千葉県健康福祉指導課の方などがご参加くださいました。
第一部では、当財団より本助成プログラムの振り返りとして、2014年創設以降の子どもの今と未来を支える基金の実績、なぜ「体験格差」に着目し助成プログラムとして実施したのか、「経済格差を『体験格差』につなげないための助成プログラム2年間の取り組みから見えた成果と課題などを報告しました。
続いて2024年度助成団体3団体による成果報告が行われました。
各団体からは、子どもたちへの体験活動や学習支援の活動報告、対象とする子どもたちに参加してもらうために工夫したこと、体験や学びを通して参加した子どもたちにどのような変化が見られたのか、活動を通じての気づき、成果や課題、現在の活動状況などをお話いただきました。


<認定NPO法人Matsudo子どもの未来へwith us 代表理事 髙橋さん>
これまで7回のキャンプ活動を通して、子どもたちが主体的に参加する構成に進化してきたこと、過去の参加者がユーススタッフとして参加し成長したこと、異年齢の子どもたち同士が自分たちで考え解決していく力が育まれた、など子どもたちの変化をエピソードをまじえてご報告してくださいました。

<船橋プログラミング部 代表 増澤さん>
当初想定していた以上の申し込みがあり、中には3回も待ってもらった小学生もいたそうです。
また異年齢の友だちや他校の友だちができたり、プログラミングを通じてやりきる力も生まれて来たそうです。助成金を活用したことで活動の広がりができたと報告してくださいました。

<労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団東関東事業本部 藤平さん>
新規に開設した学習支援教室にも毎回20名ほどの小中学生が参加したそうです。
中には学校には行っていないが、学区外であるこの教室には通ってくる中学生もいるそうです。
今後は習志野市内2か所から全域5地域で展開していきたいと抱負も語ってくださいました。
第二部の前半では、ちばぎん総合研究所調査部担当部長の小松孝之さんより、多様な体験が非認知能力の向上と関係するという研究結果の紹介、512ページもある「千葉県子どもの生活実態調査」から特に今回の助成プログラムに関連する子どもの体験、経験に関するデータの読み解き方、どう地域活動に活かせばいいのかをわかりやすく教えていただきました。
困りごとを解決したいという「思い」はNPOが活動をしていく上でとても重要ですが、他方で様々な機関で行われている調査データ等を活用することは地域の現状や実態を客観的に把握することができ、活動に活かすことで効果も高まるのではないでしょうか。

後半は、実際に「千葉県子どもの生活実態調査」をつかってのワークショップを行いました。各自が調査結果を読み、想定内/想定外だったこと、活動している感覚と違うところ、初めて知ったことなど気づいたことを書き出し、共有。その結果を踏まえて現状、課題、地域の社会資源、こんなことできるとよいのでは、を考えました。
参加者からは、自宅で使う教材に各層(困窮層・周辺層・一般層)に差がないこと、平日放課後や休日の過ごし方に差がないが、困窮層の子どもはどこで何をしているのだろうか、体験は親の関心によるところが大きい、地域の中に日常的に関われる場が必要ではないか、など時間が足りなくなるほどディスカッションが盛り上がりました。



さいごに小松さんから第一部、第二部の総括として、一橋大学教授伊丹敬之氏の「場と論理とマネジメント」という書籍より「情報的相互作用」「心理的相互作用」を引用されながら、「子どもの体験、経験を豊かにするにはまず「場」が必要であること、そしてその「場」には信頼できる大人、知見を有する大人がいて、マネジメントできることが重要な要素であるそうです。皆さんの活動も地域の大人、保護者、大学生も含めて頼りあいながら、子どもたちが様々な経験を通じて成長できる多様な場や機会を提供していってもらえればと思います。」と激励のメッセージをいただきました。
ご参加いただいた方々からは、
- 助成成果のていねいな報告、小松さんの実態調査の解説から大いに学びました。
- 小松さんのセミナー、コメント、とても学びになりました。これだけボリュームのある調査結果について、こうした機会がなければ読み解くことがなかったので感謝です。
- 具体的な活動をしているわけではないのでワークショップは難しかったですが、統一されたテーマで、いろんな観点で知ることができて勉強になりました。ありがとうございます。
- 異業種の団体の皆さんの話を聞くことができ、参考になること多々ありました。
- 大変勉強になりました。特にセミナーのデータ分析は有益でした。
などのご感想をいただき、大変充実した時間となりました。
今回の「体験格差」という課題に実際に取り組む子ども支援団体の報告と「体験・経験・学び」にフォーカスしたデータの読み解きが、参加された方々の今後の活動のお役に立てれば幸いです。
当財団も今後の助成プログラムに活かしていきたいと思います。
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【経済格差を「体験の格差」につなげないための助成プログラム(子どもの今と未来を支える基金 2024年度助成) 】活動報告についてはこちらをご覧ください。
https://chibanowafund.org/report/theme/koubo_kodomo_kikin_2024.html
